焼き締めの磁器皿のお手入れについて – KIWAKOTO/キワコト 京都・清水焼の職人が手掛ける食器

お手入れについて

日ごろ、よく見かける器は、表面につるっとした光沢があります。これは、形をつくった器を焼き(素焼き)、表面に釉薬(ゆうやく)と呼ばれる薬品を塗って、さらに焼くことでガラスの層をつくっているためです。

「焼き締めの器」は釉薬を用いず、高温でしっかり焼くことで土に含まれるガラス質が溶けて汁気の浸透を防ぎます。このため土肌のマットな風合いとなり、自然な色味が料理をより引き立てる魅力があります。

ご使用前のひと手間

表面に塗り重ねる釉薬の器に比べて、焼き締めの器はシミになりやすい性質があります。ご使用前にひと手間掛けることで、シミを防ぐことができます。

オリーブオイルを適量(Mediumサイズでは小さじ一杯程度)垂らし、キッチンペーパー等で、皿全体になじませます。1時間程度そのまま放置し、洗剤で洗い流してください。目に見えない磁器の穴にオイルが浸透し、シミを防ぐ効果が期待できます。使用頻度にもよりますが、1カ月に1回程度行うとより効果的です。

また、乾いている状態で焼き締めの器を使用すると食材の水分を吸いシミができやすくなります。盛付け前に流水にさらすなど、器に水分を馴染ませて、軽く拭きとってから使うことでシミになりにくくなります。

また、焼き菓子など油分の多いものは、懐紙を引いた上に盛付けをする工夫もおすすめです。

景色と捉えても

どんなに気を使っても、器にシミができてしまうことはありますが、たくさん使った我が家の景色として、楽しむのもひとつの捉え方だと思います。